かなわぬ夢

実は私は左耳が聞こえない。生まれつきかどうかは定かではない。物心ついた頃から聞こえていないのは確かだ。

日常の音が右耳を通してモノラルで入ってくる。障害者の方々に比べればはるかに幸せである。彼らから見れば私は健常者に違いない。わかってはいるが両耳で音をステレオで聞いたらどうなのかたまらなく知りたい欲求に時々かられる。

小さい頃から神経質なまでに右耳を保護してきた。もしも、右まで聞こえなくなったらと考えるとそうせずにはいられなかった。右耳元からの大音量を(大声とか)嫌い、サンダーとかの工具を使うときは必ず耳栓をするようにしている。小学校での身体検査がいやだった。毎年行われる聴力検査で引っかかり、毎年、大学病院に通って診てもらわなければいけなかった。毎年同じ診断結果だとわかっているのに・・・。『神経性難聴』というのだそうだ。普通の難聴では、耳骨に振動を伝えれば聞こえるらしいが、神経性だと聞こえない。よって補聴器で補うことができないのだそうだ。小さい頃はそう聞くといつもがっかりしたものだ。何で直らないのと。

今は取り立てて何ともない。悔しいとも悲しいとも思わない。右さえ聞こえりゃ十分生活には困らないからだ。こんなことで悲観していては障害者の方々に怒られてしまうだろう。でもでもだ。一度だけでいいから聞いてみたいというのも真実だ。ステレオで聞く音楽はどんなだろう。サラウンドで見る映画はどんなだ?もし聞こえれば涙があふれるほど感動するのだろうか?

世の中には不治の病にかかっている人がたくさんいる。そういう人を幸せにできるような医学の発達が待ち遠しい。

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